「職業奉仕月間」に寄せて


職業奉仕委員長 稲垣 稔
(太田南RC)


 よくご存知のように10月は職業奉仕月間であり、各クラブでは月間にちなんで職業奉仕に関したフォーラムを開いたり、会員企業や他企業、施設の職場訪問などを実施なさっていることが多いと思う。
 各クラブでは「職業奉仕」の基本理念についての理解を深めるための一端として、それらのことを行われているのであろう。果してその成果は、ということになると私は少し疑問に感ずることがある。恒例の月間だから何かをやらなければと考えるのは、ある程度はうなずけるものの、かといってお茶をにごすようなやり方もどうかと考える。だが、この原因がロータリアン一人 一人にあるとは思えない。その最大の原因はアメリカと日本の土壌の違いにあり、「職業奉仕」なる言葉とその活動がアメリカの土壌と異なる我が国においては、なかなか漠として理解しがたいことにあると思われる。決して日本人に理解できないのでなく、理解しがたい概念なのだと思う。これは社会の構成基盤、宗教基盤、などが両国では大きく異なるのだから、ある程度はやむをえないことだと思うし、ロータリーにはそれを包む寛容さもあると思っている。
 過去には、多くの先人ロータリアンが「職業奉仕」について語り、又記述されており、また関口年度においても地区基本方針については会長幹事エレクトセミナー、地区協議会の席で申し述べご理解を頂いてきたと確信しているが、職業奉仕月間では、「職業奉仕」の更なる理解の一端として皆さんが今の企業を創業されたときの決意・覚悟をもう一度思い出すこと、をテーマにして頂きたいと思う。もちろん創業でなくとも父親なりから引継いだ時の決意・覚悟も同じである。人にはそれぞれ様々な決意・覚悟があったことであろう。そして、よく見直してみれば、その中の一つや二つは、ロータリーの「職業奉仕」につながっていることがあるはずである。この月間にちなんでもう一度その決意・覚悟を新たにされてはいかがだろう。創業時には全ての人々が「意識を喚起し―進んで行動を」を実践していたことだと思う。
  『人のお世話にならぬよう
      人のお世話をするよう
          そして報いを求めぬよう』 後藤 新平
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