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(7/13)「日航スチュワーデス 魅力の礼儀作法 大人の女へのパスポート」
奥谷 禮子 読後感

関口 隆

 女性職業人で、総じて気持の宜い客扱いをする人は昔は躾のきびしいデパートの女子店員、今はスチュワーデス(SS)かと思っている。
昔の三越では客の前で「私共」と云わせず「手前共」と云わせたという。
  私は何故SSがこんなに客扱いをスマートに、そして上手にこなすことが出来るのか、その修練の基本は一体何なのだろうかと常々考えていた。或日、旅の途中で上記の本を買い帰りの車中で読了した。私の期待は裏切られなかった。御参考迄に心に残った内容を抽記してお届け致します。

○ 服装、化粧、話し方や言葉使い、食事のマナー それぞれその場、その時にふさわしいやり方があります。お茶席で、野卑な大声で話を交わすのは場違いです。講演会で講師の話も聞かず私語を交わすのもルール違反です。
○ どうも日本人は集団となるとマナー違反を犯しがちなところがあります。とくに中年のオバサン達は道路をふさいで歩いたり、レストランで大声で笑い合ったり。
○ 聞き上手は相手の目を見つめる。
テレビなどで対話番組を見ると分かりますが、相手が何か話し出そうとしたときに、もう一人が言葉をかぶせると、先に話し出そうとしたほうが、ふっと口を閉ざすのが分かります。 聞き上手が相手だと、途中で話を取られる心配もないので、とても気持よく話が出来ます。言いたいことを言い終えたなと思える頃に、こちら側の話をすればいいのです。
○ "間"を大事にすると話が締まる
うまい"間"のとり方は"ひと呼吸"おくということです。
○ 言葉数ではなくて目の表情で話す
話をする場合も、相手の目を見て話すのが基本です。"見据える"のではなく、適度に"見つめる"こと。目で見て話す限り、多言はかえってマイナスです。
聞きての立場に置き替えれば時折、話し手の目を見つめる。話の要所要所で的確な視線を投げかけることで、「話を聞いていますよ」というサインを送る。
○ よい敬語は自然に使えて初めて自分のものです。
○ 新人のSSの頃、よく「仕事のできない分は、笑顔でカバーしなさい」と言われたもです。
○ 低いテーブルでは中腰で給仕をします。
○ 話の腰を折ると自分が損する。
絶対に避けたいのは相手の話の腰を折ることです。ちゃんと人の話を受けとめて下さい。
○ 親しき中にも「言葉あり」
たとえ同僚であろうと「いい関係」でいたいなら、つつしみをお忘れなく。
○ 自然に目立てば本物です
能の創始者世阿弥の言葉に「秘すれば花」というのがあります。「私が、私が」と自分を押し出して行くより、控えめにふるまったほうが眞に人は光るのです。
○人間が成長するには、人との出合いが大切です。赤ん坊のときにオオカミに育てられた人間はオオカミとして成長します。親、兄弟、友人、先輩、先生・・・とさまざまな出会いを繰り返してきたからこそ、あなたは人間として成長できたのです。
 一期一会という言葉があります。一生に一度しかない出会いという意味ですが、誰に対しても一期一会の気持で接すれば、あなたはきっとすばらしい女性に変身します。