ガバナー事務所 金澤久子

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■ガバナー事務所体験記

ガバナー事務所事務局
金澤 久子
 
 私共のガバナー事務所は、奉仕の理想を追求するには誠にふさわしい場所、清ガバナーの邸宅でもあります寺の境内にございました。
 そこには何百年も生き続ける大木が林立しており、隣接しますのは古墳群を擁する大自然地帯で、その雄大な景色を眺め、大木を揺らす風の音や鳥のさえずりをBGMのように聞く・・・そうした空間にすっぽりと納まって、私共は仕事をする毎日でした。
 
 しかし、そこで繰り広げられる事となりますと仕事内容とは、世界を動かす機構とはこうしたものか・・・と、その縮図を垣間見させて頂くようなスケールを持ったものでした。
 お寺の一部の、のどかな自然環境の中に、組織を動かす中枢があるということです。それは私にはとても面白いことであり、理想的に思え、そこでお手伝いをすることの醍醐味やスリルを味わうことができました。

 政治家が、天下国家の為になろうと志して、理想を持ち働こうとする人達とするならば、ロータリアンは、もっと人間に対しての精神的なもので人類に寄与しようと志して、働こうとする人達の集まりに思えます。
 人間は誰しも心の片隅に、自分の幸いばかりでは無くて他人にも幸を分け与えたいという気持ちを、無意識のうちに持っていると思います。その表現方法は人それぞれでしょうけれど、少なくとも奉仕をすることを目的としてそれを標榜する団体に身をおかれるというその一点において、ロータリアンの皆様の、社会に対する考え方の前向きの姿勢を、感じさせられました。

 私がガバナー事務所を手伝わせて頂くことになりましたのは、同じ鬼石町出身の立川資金委員の御推薦がありましたからで、立川資金委員には、こうした機会を与えてくださいましたことを深く感謝し、御礼申し上げます。
 無条件で即採用して頂き、その時、茂木地区幹事がまずおっしゃいましたことは、『何事も自分で判断して行動しなくてよろしい、私が言ったことを、あなたはしてください。』私はこの言葉に、どんなに安心したことでしょう!事実、ご自分で書類をつくって下さり、どれだけ事務をカバーしてくださったことか!それは、茂木地区幹事の独壇場でした。一途にロータリークラブに情熱を注ぎ、地区幹事の任務を遂行なさっておられる責任感の強さに心打たれ、そして、色々とご指導頂きましたことを心から感謝いたして居ります。

 清ガバナーとは、同じ敷地内で毎日のようにお目にかかり、一番上の方と一番身近にお話させていただいたことになります。
 なにしろ私は他人のところで働いたこともなく、事務も無経験という代物、そこの所を清ガバナーは、慎重に、私の長所を引き出しロータリークラブの本質的なものを教え込むような、そんなご指導をしてくださいました。そのことに私は、痛いほど感謝を覚えます。清ガバナーは、そうしたセンスをお持ちの方です。

 そして特記すべきは、ガバナー夫人がいつも長姉のごとき愛情を持って、裏方のことは総て細かいことまで心を配り、ご指導くださったことです。私共はいつもその心根に接し、救われ、常に感謝しつつ過ごすことができました。

 私は今、ロータリーガバナー事務所での体験を通し、無償の働きを『よし』とするという、極意の様なものに触れられたような、尊いものを感じております。
 最後に、関わり頂いた総ての皆様に、未熟なそして無経験の私をいつも温かい気持ちで受け止め助け、お導き下さいましたことを心から感謝し、厚く御礼申し上げます。本当に有難うございました。
 特に石井さん、越田さんには大変お世話になりました。特別に感謝し、御礼申し上げます。